『極悪女王』アラフィフ女が観た感想

極悪女王を視聴したアラフィフ女性の感想考察
ダイアン

リアルタイムで全女のプロレスを観ていたダイアンです

Netflixで配信直後から大ヒット中の極悪女王

私は配信前から楽しみにしていて、配信当日に観てから今、2周目を視聴したところです。

アラフィフ女性の私視点からの感想を書いておきたいと思います。

目次

2周観た感想『極悪女王』

まず感想としては一言「とっても面白かった」です。

リアルタイムで私がダンプ松本やクラッシュギャルズのプロレスを観ていたのは、小学校低学年のころ。

私自身は当時からなぜか悪役レスラーが好きだったので、ダンプ松本さんが好きでしたね。

むしろ、クラッシュギャルズの存在をあまり認識していなかったくらいです。

子どもなので好きなものしか見えてない笑

極悪女王は観た人が既に多くの人がレビューをしており

  • すごく面白かった
  • かなりリアルだった
  • キャストの役作りがすごい
  • 肉体改造がすごい
  • まるでドキュメンタリー

という感想が多くありますが、その辺りについては私も完全同意。

ですので、面白かったというのは大前提として、私なりの視点の感想や得られた貴重な気づき、考察を書いてみます。

長与千種の魅力

ドマラを観終わって、私はなぜか長与千種という人にとても魅力を感じました。

40年前は目にも入っていなかったので、自分でも驚き。

もちろん、演じた唐田えりかの熱演や演出のおかげかもしれません。

しかし、長与千種のセリフや立ち振舞は、すごく俯瞰的であり、女子プロレスを「競技」や「勝負」ではなく「エンタメ」として捉えている描写が随所でみられます。

それなりに歳をとってくると、色々な面で俯瞰的にはなれますが、長与千種は当時20歳くらい。

その歳でそういう考え方をする、ということが私にとって非常に魅力を感じた部分です。

そして、現在の活動や発信を観ていても、それはずっとブレていないなんだな、と感じます。

長与千種の笑顔の破壊力

長与千種はなぜかいつも、ニコニコしている。

特に歌っているときの笑顔は唐田えりかが完全再現していて話題にもなっていますね。

ご本人は歌っているときの笑顔について「あんまり覚えてない」というようなコメントをしているようですが、私的にはとても深いものを感じます。

無意識にしていたのであれば、余計に凄いなと感じるんです。

長与千種の過去を知ると、両親がいなくなったり親戚をたらい回しにされたりと、なかなか厳しい子供時代を送っています。

プロレスの下積み時代にも、いじめの標的にされたようです。

そういう状況にあった女の子が簡単に人前で「ニコニコする」ということが、私自身が複雑な家庭状況だったこともあり、その笑顔は尋常ではないように思うのです。

長与千種自身が元から持っている「エンタメ精神」がそうさせているのかもしれない。

あるいはプロレスでは笑わないので、そのギャップ効果を計算したのかもしれない。

なんなら、その魅力的な容姿と笑顔で男性ファンも獲得して、自身をエサにして女子プロレス業界を盛り上げたい、と考えたのかもしれない。

と、そんなことまで想像させる笑顔なんです。

なぜか何度も見たくなるものすごい吸引力をもった笑顔ですね。

演技下手な俳優がいない

日本のテレビドラマに慣れていると、いくらか演技が下手な俳優がいても「そういうもんだな」と諦めるクセがついてきます。

Netflixだと、韓国ドラマでは当たり前に演技の下手な人が出ていないので、没入感を後押ししてくれますね。

そして極悪女王も、演技力のない俳優は皆無でした。

というより、ほぼ全員の演技力が高くて怖いくらいでした。

女性レスラー役の方々がたくさん出てきますが、どの方もかなりレベルの高い演技力。

しかもそれぞれ本人にしっかり似せてきているので、よくこんな妥協のないキャスティングができたな、と感動しました。

上の配信イベントでは女子レスラー役の方が全員出てきていました。

昭和はもう戻ってこない

極悪女王を2周観終わり、演者のインタビューやYouTube配信関連などを観ていて、ふと思ったこと。

この昭和の「なんでもアリのハチャメチャ具合」は、もうこの先戻ってくることはないのだろうな、という軽い喪失感を初めて感じました。

というのも、私自身は令和のコンプライアンス的であったりジェンダー的な価値観の変化をポジティブに受け止めているので、昭和の価値観には根本的に否定的な立場です。

極悪女王でも、その場にいると気づきにくいような男女の構造を高い視点から見ることで、どれだけ男性が女性を見下して利用しているのかが良くわかります。

自分自身が昔、そんな構造の中でもがいていたことを思うと、絶対に戻りたくはない。

なので、この喪失感は自分でも意外な心境でした。

恐らく、その窮屈で動きづらく、飛び立とうにも飛び立てないような、そんな時代だからこそ発揮できた「この野郎どもが」という気概が時代の変化とともに、自分の中からもなくなってきていることに、気付いたからかもしれません。

「本当にアレはありえなかったな」と昔を思い出しながらもクスッと笑えるものに変えてくれる力を、極悪女王から受け取れた気がします。

生き様の最適解を考察

長与千種、ライオネス飛鳥、ジャガー横田、クレーンユウ、そしてダンプ松本。

この5人の女子レスラーは、特にその生き様やそれぞれのこだわりが描写されていました。

私は2周観終わったあとに、どの生き方が正解だったのだろうか、と気づけば考えていたんです。

もちろん「正解」なんてないし、私の主観的な結論しか出ないのですが。

私がここで考えた「正解」を「見る者に感動を与えて女子プロレスラーとしても成功した」と考えると、やはり圧倒的に「ダンプ松本」と「長与千種」だったのは明白です。

私はジャガー横田タイプ

そして同時に「自分はジャガー横田かもしれない」と思ったのですが、それはとても貴重な気付きでした。

「実力」が最も大事で、それさえあればなんとかなる。

周囲が必要としているのも、最終的には「実力(スキル)と結果」なのだ、という考え方をどこかで持っている。

けれど心のどこかで「それだけじゃダメだな」というのも知っていた。

だけどバランスを取るのが難しいな・・

という、モヤっとしたものを感じていたところでした。

そして今回、客観的にジャガー横田を見ていると、その生き方は私にとって理想とは違うのかも・・

と自分で感じたんです。

となると話は簡単で、私が「正解」だと感じる人の生き方が参考になると思ったわけです。

それはやはり、冒頭でも熱弁した「長与千種」でした。

極悪女王の長与千種から得たもの

極悪女王の中もそうですが、実際の言動から長与千種はちゃんとビジネスをしている、と感じました。

誰がお金を払うのか = 観客、テレビ局、スポンサー

それらの人達が求めているのは何なのか、夢や楽しさ、感動やメリットを与えるためにどうあるべきか、どうするべきかを決めている。

それは時に、自分の実力やこだわりをねじ伏せることで成り立つこともある。

そんなときに迷わず負けられる人だと、感じました。

ちなみにドラマ内では、自分が勝つことが観客やテレビ局が望むことであると認識しています。

「自分が勝ちたい」のではなく「自分が勝つことがビジネスになる」から勝つ、という考え方をしているわけです。

クライアントとのやり取りでモヤモヤしたときは、長与千種の生き様を思い出して、ニコニコ笑顔でやっていこう、と思ったひとときでした。

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